今回のラリーで村瀬/宮部の2人は優勝という最高の結果をチームにもたらしてくれた。
まったく未知数であった新型シビックを全日本選手権に投入して4戦目の勝利。長いようで短い道のりであったが、多くの課題を乗り越えての勝利には大きな意味がある。
ニューシビックのセッティングを始めて最初に突き当たったのはサスペンションの仕様に関する問題であった。あちらを立てればこちらが立たず、手探りで始めたダンパーのセットアップは困難を極めたが、テストに挑むドライバー村瀬とサスペンションメーカーであるエナペタルはあきらめることなく繰り返し仕様変更とテストを繰り返してきた。
開幕戦の4位からはじまり京都ラリーでの2位入賞。そして前回の四国では思うような仕上がりが得られず再び2位の辛酸を舐めることになる。同時に行われた駆動系の変更は功を奏したものの、アンダーステアに泣かされた結果の2位。
再び名古屋に戻ってきたマシンを前にチームは大きな決断を迫られる。いままでのダンパーを排し、まったく新しい仕様のダンパーを製作し再びテストを繰り返した。
試行錯誤の結果生まれ変わったシビックRはまさに「新生シビック」と呼ぶにふさわしい仕上がりを見せ、ラリー直前にマシンが完成。そして、その結果が今回の「ラリーハイランドマスターズ」という最高の舞台で試されることとなる。コ・ドライバーを努める宮部は昨年の全日本チャンピオンの名に恥じない最高のナビゲートをすべくコ・ドライバーズシートのシステムを一新して緻密なアシストを可能にしていた。
「ラリー中、お互いにミスは1回しかなかった。ほぼベストの走りができていた」と、ラリー終了後に宮部が語るように、徹底したペースノートの見直しとハイスピードに対応するためのナビシステム。そして村瀬選手の高度なドライビングテクニックがもたらした最高の結果となった。
クルーとサポートカンパニー、そしてチーム一丸となっての勝利は、このマシンにかかわってきた全てのスタッフにとって大きなプレゼントとなったのは間違いない。1ヵ月後に迎える愛知県新城市での全日本ラリー最終戦「新城ラリー」に向け、アールエスタケダラリーチームジャパンの挑戦はまだまだ続いていく。
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