The first place recapture
2回目のサービスを迎えて、村瀬は順位を2位に落とした。1回目のサービスで急遽交換したリアブレーキのフィーリングが悪いためかもしれない。慎重なアタックがタイムを落としているのか。
3回目のサービス時点で順位は3位に。戻ってきたドライバーと話をする。
「雁峰林道でタイムが伸びない。ベストの走りをしても離されてしまう。」
ドライバーからサービスへのオーダーはマシンの仕様を大きく変え、タイヤコンパウンドも変更するというものだった。その変更内容は思いつきや、一か八かの挑戦ではない。新型シビックを全日本へ投入しはじめてから村瀬が試した様々なセットアップオプションの中から選んだ実績ある選択なのだ。
サービスは時間内に全ての変更箇所のセットアップを完了。セクション3、残り2つのステージへ向けてマシンを送り出す。残るステージはあわせても17キロ弱でありトップを奪還するにはあまりにも短く感じる。
サービスアウトしてからすぐのステージは、村瀬がタイムの伸び悩みを危惧していた「雁峰林道」(GANPO Middle3/13.8KM)である。このステージはセクション1/セクション2でも走行したステージのリピートステージ。
サービスクルーは息を飲んでリザルトを見守る。前回のタイムは14分02秒。このタイムをどこまで詰めることが出来るのか。
やがてリザルトボードに表示されたタイムは13分19秒7。実に40秒ものタイムアップを果たすことができた。しかしながらサービスパークには一抹の不安が漂う。タイムアップのために激しく猛プッシュをしているであろうマシンとドライバーの状態はどうか。安全マージンを削って走り続けるラリーカーは常にリタイヤと紙一重の走行を強いられているはずである。冷静なスタンスでアタックができているのかどうか、我々には知るすべはない。
DAY1最後のステージSS7の結果を見るまでの緊張感はなんともいえないものがある。クルーを信じて待つスタッフの前に最終SSのタイムが表示された。
こちらのタイムも前半の同じコースのタイムを大きく更新するものであり、同時に無事に一日目のアタックを終えることができたという証である。
戻ってきたクルーと話をする。今年一番と言ってもいいくらいのフルアタックであったこと。仕様変更が功を奏し、大きくトラクション性能がアップしたこと。それでもミスを誘発する走りはしていない、余裕を持って走ることができたこと。
アールエスタケダのクルーは2位に8秒の差をつけてラリーを折り返した。12秒のビハインドから実に20秒の逆転を果たしたことになる。
しかし、喜ぶのはまだ早い。
明日の朝、新城ラリーは2日目を迎える。まだまだ、ラリーは終わっていないのだ。
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