2011年1月29日土曜日

宮部弘陽がプロトンをドライブ。

栃木県のオートランド丸和で、キャロッセがマレーシアより正規輸入を開始するプロトン社「サトリアネオ」の試乗会が開催された。

「サトリアネオ」はマレーシア最大の自動車メーカープロトンが製造している3ドアハッチバック、1600CCのツインカムエンジンを搭載した右ハンドルの車。日本ではかつて多くの車種が製造された「テンロククラス」のカテゴリーに入るマシンだ。

このクラスのマシンは国内ではスイフトスポーツ(1600cc)があったくらいで、いまはスタンダードではない。そこで、キャロッセ社が一肌脱いで、海外からこのマシンを輸入。国内でのデリバリーを開始することとなった。


このマシンはシンプルな仕様ながら、トルクフルなエンジンを搭載し国際競技に不可欠なFIAの車両公認も2008年に取得されている。国内ではPNクラスへのエントリーが可能であり、まもなくJAFの公認も取得する予定である。


今回はアールエスタケダワールドラリーチームのコ・ドライバー宮部弘陽が現地オートランド丸和に行き、実際にプロトンサトリアネオをドライブ。レポートが届いたのでお届けしたい。


■プロトンサトリアネオ インプレッション

まずは走らせてみての第一印象は?
113馬力、15.1キロのトルクというスペックからイメージしていたのよりもトルクフルで良く走る印象。コーナーの進入ではオーバー気味の特性を示すが、アクセルを踏んでいけばアンダー方向へ転じるのでアクセルを開けて立ち上がっていけるのは悪くない。ボディ剛性も高く、言われているほどのボディの重さも感じなかった。LSDを装着すれば素直な動きを見せるだろうし、乗っていて扱いやすく楽しい。

番場選手のドライブするラリーカーに同乗して
たいへん素直な挙動を示すマシンだと感じる。エンジンに可変バルブタイミング機構をそなえているため、車速を乗せていけばパワー感が持続し、アクセルでのコントロールが容易。ECUのセッティングをさらに詰めていけば、より高回転でのトルク、パワーともに期待できるだろう。現時点でも十分に国内競技で戦えるレベルにある。リアのサスペンションがマルチリンク方式なのも良いと思った。

ラリーカーとしてアールエスタケダで投入する計画だが
FIAのグループA/Nのホモロゲーション(公認)があるため、国内競技から海外ラリーまでこの一台で参戦できるのは魅力的。国内競技しか仕様できないマシンよりも安価(150万程度の価格を予定)で購入でき、ボーダーレスで使用できる競技車であることを考えると導入する価値は十分にある。今後はランサー・インプレッサのみの参戦では幅が広がらないし、入門者からベテランまで乗るものを選ばず使える競技車であることは大きな意味がある。なにより、イニシャルコストが低く抑えられるのが大きなアドバンテージになるだろう。

国産のマシン(スイフト)などと比べてどうか
まずは価格に関して言えばプロトンに軍配があがる。マシンの潜在能力はこれから探っていかなくてはならないが「新車」でこのクラス、このスペックのマシンは他にないため、国内でも大きなイノベーションを起こしていくだろう。サトリアネオに触発されて国内メーカーもこのクラスのマシンを発売してくれるといいと思う。今日の感想としては、国内のテンロクマシンに大きく負けている感じはない。



サトリアネオの今後は
キャロッセは国内競技にもプロトン/サトリアネオを投入する計画だと聞いた。今後、公認部品も含めて100を超える競技部品をデリバリーするとのことなので、単にマシンの性能や素性を語るだけではなく、ビルダーとしてはチューンナップの幅が大きく用意されていることのほうが意味がある。今後も国内、海外を問わず多くのパーツが入手可能になるだろうし、とても期待している。











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