2007年12月1日土曜日

GT-A専用フロントLSDキット発売開始。

全国のランエボGT-Aユーザー待望のフロントLSDキットがいよいよ発売となった。試作品から一年あまりのテストを経ていよいよ正式にリリースされることになったのだが、実に長い道のり。ほとんどの時間を実車でのテストと、セッティングに費やしてきた。駆動系のセッティングはアールエスタケダの得意とする分野であり、より完成度の高いものを世に送りだそうとするがゆえどうしても多くの時間を割くことになる。お待ちいただいたお客様には申し訳なかったが、お待ちいただいただけの実りある製品ができたと思う。

基本的にはGT-Aであってもマニュアルのエボ7であってもセッティングの方向性は変わらない。ランサーエボリューションという車が世に出てからすでに10年を超えるが、エボ1から始まって現在に至るまで様々なカテゴリーのモータースポーツへ参戦を続け、経験と実績を積んできた我々の集大成ともいえる製品である。

LSDは強力な駆動力をマシンに与えてくれるが、反面走行抵抗も生むため、セッティングを誤ればタイムを出しにくい車になるという二面性を持っている。ターンインではスムースな回頭性を確保し、ひとたびアクセルオンすれば力強いトラクション性能を発揮しなくてはならない。コーナーの入り口で姿勢を作りやすく、それでいてアンダーステアを生まないセットアップが必須なのだ。

もちろんランサーは4輪駆動のクルマであるが、この製品を装着した後はまるで今までの走りが嘘のようにマシンが生まれ変わる。いままで本当に4WDだったのだろうか?と疑うほどにマシンの挙動が変わり力強さを増したランサーエボリューションに出会うことができるだろう。

当社の走行会「ディレッツアサーキットミーティング」でキャロッセ/クスコワールドラリーチームの柳澤選手が見せてくれたアグレッシブな走り。ありえない角度でコーナーへ進入し、驚異的な立ち上がりを見せるランエボの走りは、この隠れたパーツであるLSDなくしては実現不可能だ。柳澤選手は120㎞を超える速度でモーターランドスズカの外周へ飛び込んでいく。通常なら一速ギアを落としていきたい高速コーナーだが彼はトップギアである5速へ軽々とシフトし、フロントLSDのトラクションを利用しスムーズに姿勢を変え、速度を保ったままコーナー出口へと華麗なアプローチをかけていく。

アクセルコントロールで自在に姿勢変化を作り出すことの快感は、経験したものにしかわからない。モータースポーツの世界からフィードバックした技術をより多くのランサー乗りに味わってほしい。そして、もっともっと走ることが好きになってくれること。それが私の心からの願いである。

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