3位に入賞した渡辺(右) |
本日開催された「キョウセイジムカーナシリーズ第4戦」において前々回にパイロンタッチ(タイムトライアル中にパイロンに接触すること)を喫し、下位に沈んでいた渡辺庸仁選手が再び表彰台に返り咲いた。
開幕戦で渡辺はトップに0.17秒という僅差で2位に入賞。あとは優勝するのみという、熱い期待を受けて参戦した第2戦では、2本のアタックのすべてでパイロンタッチをするという無念の完敗を経験した。
走りに切れを欠いた第3戦では10位敗退。今回の第4戦を前にして、マシンのセッティングと自らの走りを見直し、渾身のアタックをすると心に決めてこの戦いに挑んでいる。
今回のイベントでは、実にドラマチックな展開があった。そのことをお伝えしたくてこのブログを書いている。
今日は、朝からアールエスタケダの甕総監督と中部選手権に参戦を続けているアールエスタケダのサポートドライバー、深川敬暢選手の会食会が豊田市内にあるフォレスタヒルズで開催されていた。私も同席させていただき食事を始めようかという矢先に、渡辺のファーストトライの暫定結果がメールで届いた。
「1本目のアタック 渡辺選手はパイロンタッチで 15位。現地は雨が降り出し、午後からのアタックで挽回するのは絶望的。」
「ううむ・・・」
先輩トライアラーであり、渡辺の成長にエールを送る深川が残念そうな表情を浮かべる。
まぁ、仕方がないだろう。今回はダメだな・・・
食事会が終わり、私がアールエスタケダに戻るとほどなく渡辺もキョウセイドライバーランドから戻ってきた。
「残念だったな・・・次回に期待を・・・・」
と、渡辺に話しかけていると渡辺が言う。
「3位でした。トップと0.5秒差でした(^.^)」
「?!」
話を聞くと最初のアタックで沈んだあとに雨が降り出した。これはタイムアップは無理だと諦めかけていたところ、午後の走行の前に天候が一時的に回復し路面はほぼドライになったという。タイミングよくアタックに入った渡辺は好タイムをマークし、なんと表彰台を獲得したという。
ハラハラドキドキ、地獄から天国。
競技会直前まで、サスペンションのセッティングに注力していた渡辺をそばで見ていただけに、嬉しいどんでん返しを体験させてもらえてよかった。
前回の石原の2位といい、今回の渡辺の3位といい、なかなかによいではないか。もう少し、あと一息。今後の選手の活躍に期待である
ジムカーナは指定されたコースを一台づつ走行し、タイムを競う競技。コース上におかれたパイロン(正式にはセーフティコーン)で規制されたコース内を走行し、最も短い時間で走行した選手が勝利を手にする。
ジムカーナ競技では規制されているパイロンに接触するとペナルティを課せられる。接触すると1本ごとに、フィニッシュタイムに5秒が加算。コースからはみ出して走る(脱輪)しても1輪あたり5秒加算。ハイレベルな戦いになると1位の選手と10位の選手のタイム差が1秒以内になるほどのシビアな競技であるから、ペナルティを受けるということは即、敗北を意味する。
新人ジムカーナ選手の登竜門である「キョウセイジムカーナシリーズ」。ここでの勝利は上位カテゴリーへの切符であり、上位カテゴリーから参戦してくる先輩ドライバーたちとの勝負がルーキーたちを育てていく。
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