前回のオジブェフォレストラリーで村瀬は、2WDクラスで2位のリザルトを残すことができた。けしてラリーをするに恵まれた状況ではなく、厳しい環境の中で得られた現状最高の結果だったと思う。
通常であれば環境を作るのはチームであり、選手は走ることに専念すべきである。しかしながら、アマチュアモータースポーツの世界では一人二役どころか三役も四役もこなさなくては競技に出場することすらままならないのが現実だ。
日本ではチームを主体とした活動を続けてきた村瀬にとってアメリカでの3年間は厳しい3年間であり多くを学んだ3年間でもあった。そして、その村瀬の挑戦はいま佳境を迎えようとしている。
10月16日から開幕する「レイクスペリオルパフォーマンスラリー」。アメリカの北部ミシガン州で開催されるこのラリーは全米ラリー選手権のファイナルラウンドであり、「アメリカで最も美しい」と評されるミシガンアッパーペニンシュラの風光明媚な景色の中を駆け抜ける素晴らしいラリーである。
Houghton city cetre |
ラリーの名前にある「スペリオル」とはこの地域の北部に位置する五大湖の一つスペリオル湖のことを指すのだが、日本列島がおさまってしまうような巨大さゆえ、地上からその全体を感じるのは難しい。
AM5:30 Houghton |
アールエスタケダラリーチームジャパンは村瀬選手の「プライベーター」としての活動を日本から支援し、応援してきた。そして今回でおそらく最後になるであろう村瀬のアメリカでの活動を記録し、現場で支援するため我々は日本からアメリカへ飛ぶことになった。
ミシガン入りするのは武田と光崎フォトサービスのカメラマン光崎満の二名。村瀬のラリーをサポートしてくれるホンダ・オブ・アメリカ インディアナLLCの精鋭たちもラリーウィークにミシガン入りすることになっている。
単身頑張ってきた村瀬だが、今回は少し様相が違う。
日本において村瀬の活動を支援してくれていた有力メーカーが「アメリカで勝つため」に全力を投入してくれている。ビルシュタインダンパーのチューナーであり、モータースポーツの世界ではその名を知らぬものもない「エナペタル」がラリーアメリカ専用のスペシャルメイドダンパーを提供。そしてブレーキパッドは株式会社ブロンコバスター(BRIG)がラリーアメリカ用のブレーキパッドを開発し提供してくれている。
アシとブレーキ。ある程度走れるドライバーなら誰でも分かる重要な部分を、最高に安心できるパーツにスイッチしたことは選手にとって大きなアドバンテージだろう。
さらに駆動系はトランスミッションアッシーを日本国内で製作。こちらも長年に渡って支援をいただいているキャロッセ(クスコ)製のLSDにスワップした。
そしてエンジンコントロールユニットは、ホンダ・オブ・アメリカ インディアナLLCの優秀なエンジニアによってさらにパワフルな制御を得ることになる。
これまでにない充実した体制で迎えるラリーアメリカ最終戦「レイクスペリオル・パフォーマンスラリー」。もちろん日本国内で勝つことにも大きな意味があるが、外国人として異国の地において勝利することには別の意味がある。ほかのスポーツ選手においてもそれは同じで、個人の勝敗に終わらず日本という国を代表して戦うという意味合いを持つからだ。
その気持ちを受け止めて戦おうではないか。
全米選手権を制することは、エナペタルが、クスコが、BRIGがアメリカで勝利することであり、我々日本人の技術の勝利でもある。日本人として戦えることに誇りと喜びをもって最終戦に挑もう。
村瀬選手にぜひとも皆さんの応援をよろしくお願いします。
みなさまからのお言葉が力になります
surpporters
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